2009/06/16 月の半分、日記をサボタージュしている間に世間ではいろいろな事があった。 例えば、足利事件。 DNA鑑定なんていうものがあって、当時の鑑定結果についてあーだこーだ言われている。 検証チーム(非常に馬鹿馬鹿しいことに警察庁と栃木県警合同だけど)などが立ち上がったようだけれど、科学警察研究所などというところからもアクセスがある当サイトは提案する。 理系の大学教授をアトランダムに100人選んで、当時の科捜研の鑑定プロセスが大学生の卒論レベルでどのくらいかなどと検証してみたらどうだろうか。 当時は、DNA鑑定が導入されたばかりで警察サイドは「結果」を出したかった、などという記事を読んだものだから、ついそういう風に思ってしまった。 でも、「結果」ってのは、当時の精度であっても、「DNA鑑定が犯人逮捕に繋がったから素晴らしい」っていうものと、もう一つ、「DNA鑑定が、容疑者と思い込んでいた人物の無罪の証拠になったから素晴らしい」というものの二種類あると思うのだ。 どちらに転んでも、ちゃんと「DNA鑑定は素晴らしい」という結果を導き出せるわけなんだけれども、頭脳がやわらかくない場合、前者のみを「結果」とする考え方に固まってしまうおそれもあるのだろうなあ…などと考えてしまった今日この頃…ではなく、今月上旬にニュースを見てから考えており単に日記をサボっていただけでした。イカンね。 さて、規制関連にも触れておこう。 この辺、そして、この辺り。 後者は、ソースが2ちゃんっていう部分もあるけれど、フィクションであったとしてもある種のデストピアを感じさせてくれる。 ちなみに兎子さんのサイトの日記(6月12日)でも、同人販売の規制(倫理規定強化)について当事者としての記述があります。 さて、ここから頓珍漢な事を書くぞー、などと卑怯にも前置きをして逃げ道を作りつつ書く。 世間では草食系男子とか肉食系女子とかいうような言葉が生まれているらしい。 規制強化を現代的な男女関係を表す流行語から分析すると以下のようになる。 ちょ、私たち、男の子とセックスしたいんだけど、なんか今の男子ってゲームとか二次元とかフィクション系ての…そーゆーのに興味あるみたいで、こっち見てくんない。これ、まずくね?―まずいっしょ。日照っちゃうじゃん。ヌレヌレだけどカラカラなんつって、ぎゃはは…とか笑ってる場合じゃなくて、ちょいヤバイというかかなりヤバイ。だから考えたわけ。だいたいエロゲとか引くじゃん。こないだも、人殺しの犯人の部屋から、エッチなゲームとかDVDとか出てきたっしょ。だからー、潰しちゃっても怒る人少ないって感じしない。うんうんうん、するするするよね。だから、取敢えずエロゲ潰すじゃん。それで上手くいったら漫画とかアニメとか潰せちゃうわけ。ね、そっち方面の楽しみなくなったら、もう男子軍団、私たちの相手するしかないっしょ。肉食女子軍団の勝利っしょ。がるるるるる。 怖い怖い。 そうなったら、果たして草食系男子の行き場のないおちんちんはどこへ向かうのか。 自らのおまんこ癒す肉棒求め策謀を巡らす肉食女子へ向かってくれるのか。それとも、草食動物の敏感さでそのような策謀を察知して、自分たちを傷つけることのない、そして、いざとなれば草食動物のひ弱さでも力で屈服させることが出来る文字通りの「女子」つまり未成年女子へと向かうのか。 つーわけでですね、未成年が犠牲になる性犯罪を抑止するには、フィクションの規制なんかより、成人女子の行動・言動をですね、も少し古典的な女性のイメージに回帰させるように厳しく規制したほうがいいですよ。 そうすれば、男子の関心は今以上に成人女性に向かいます。 ―って女性の行動・言動を規制せよというのは、創作に対する規制強化に反対する立場からの逆説的扇動のレトリックでしかないのだけれど、実は、自分は、女性の穏やかではない言動には慣れているつもりではいたんですよね。ホラ、目上の人を本人がいないところで呼び捨てで悪口を言う場合とかあるじゃないですか。そういうものは、ある程度、彼女たちも悪い言葉遣いである事を自覚しながら発話しているであろう事がじゅうぶんに推測できるから、まあ、そういうのを耳にした時も別にショックは受けなかったんですけれどね、でもですよ、例えば空腹の状態を「腹が減りました」とか言われた日にゃあ、その無自覚さに青ざめ、ついつい「腹が減ったじゃなくてお腹がすいた!」とまるで親であるかのような言葉が思わず口を突いて出るという何やら恥ずかしい経験もあり、ちと頓珍漢などという逃げ道を作りつつこういう内容の日記を書いてしまったのでした。 2009/06/26 まずニュース。 興味深い部分の一つが、多くの記事が「空撃ち訓練」と書いてあるものの、読売の記事には「敵が発砲してくるテレビ映像を見ながら、拳銃を持たずに素手で撃つ構えをとるイメージトレーニング」とある。 なんじゃそりゃ? でも、素手の訓練なのに「思わず」銃を抜いて撃っちゃたのかなあ。 同一県内で同じシチュエーションで同じような事故、というのも不思議でファンタジックな感じ。 これが男性の警官だったら、この日記でキャンキャン吠えるが、ふたりとも婦警さんなので、このツッコミどころ満載の事態を今回は穏やかに見守ろうと思う。 でも、素手での訓練中に銃を撃ってしまったのなら銃刀法違反とかにならないのだろうか? 僕らはナイフさえ簡単に持てないというのに。(←結局、キャンキャン方向になる) っていうか、フィクションを書いたりする立場でリアリズム的に想像したら、彼女たちは実際にはテレビ画面に向かっておらず、別の人が訓練をしている待機中に拳銃を触っていて誤射をした…って感じなんじゃないのかなあ。 ニュースだけ読むと、テレビ画面に向かった訓練中に気合を入れすぎたあまり「ぬぉりゃッしゃぁ」とか興奮して撃っちまったぜ、とか思っちゃうんだけど、それではあまりにも面白すぎるではないか。 ネットで同じニュースの記事を各社比べて読んだ時、事実関係がよくわからなくなる事が多いのだけれど、言葉足らずの発表を記者の想像力が補った記事…って事はないよね。 さて、例の「足利事件」 元幹部(75)は「個々の捜査員は頭を下げるべきではない。士気が下がる。その都度頭を下げていたら、自信を持って捜査できなくなる」と言い切った…とあるけど、まあ、なんというか、実は再審請求が決まった日の夜、この元幹部と思われる人のブログを読んだ。 WEB魚拓という便利なサービスがあり、それを追ってくと、その日コメント欄が激しく炎上して翌日に閉鎖した、ということがわかる。 まったく、しょうがないなあ、とか思ったりもする。 謝罪で士気が下がってしまう組織に事件の捜査なんてやってほしくないとも思うし、その一方で、ブログの荒れようをリアルタイムで傍観していた身としては、この人はもう意地でも謝罪できんだろうなあ、とも思った。 謝罪のチャンスを謝罪させたい者たちが奪った、みたいな。 ただ、意地じゃなくて本気で言ってるんだったら、あれだけ罵声を浴びせられて懲りない人だなあ、と思うことにする。 再審で「何がいけなかったのか」は争点にならないようだし。もう、ダメだ。 ダメついでに、もうひとつの足利事件もリンクしておこう。 「男性警部補は漏洩(ろうえい)の見返りを受けていない」とあるけど、僕がこの警部補の立場でも、金や物なんて受け取らないだろうな。 さらに、冤罪関連。 この通達からわかることは3つ。 (1)今まで、痴漢の捜査において、客観的証拠の収集に努めていなかった。 (2)今まで、痴漢の捜査において、被害者供述の変遷、他の証拠との矛盾などの不自然・不合理な部分を徹底して吟味していなかった。 (3)今まで、痴漢の捜査において、被害が頻発する路線や時間帯を分析、捜査員を電車内に集中的に投入して犯人の現行犯逮捕に努めていなかった。 (3)は、これから頑張って下さい、と応援したいが、(1)(2)については呆れて物が言えない。 次、規制関連。 23日のダウンロード販売サイト「デジパレ」の規制対象ジャンル。 今まで不勉強にして、エロの世界に「生徒会」とゆーカテゴリがある事を知りませんでしたよ、私は。 しかし、「生徒会」は、今や「スカトロジー」や「ホモセクシャル」をも凌駕しているんだなあ。 こうやって規制は「委員長」とか「風紀委員」「図書委員」に及んでいくのだろうか…って、わけわからん。 そして、最後に、2ちゃんねる警察板のご本人降臨スレ。 キタシバとかが降りてくるよりいいけれど、黒木さん、なにやってんすか、と。 2009/06/30 6月も終わるのだなあ。 相変わらずニュースを引っ張って感想を書くという、その辺のブログと変わらないことをする。 その1。 これはこれでいいんじゃないか、という気がしないでもない。 妻名義の店に無給で奉仕、という条件ならば。 別の報道では「県警は近くやめるつもりだった」らしいから、よいきっかけになったのではないか。 3歳のお子さんと奥さんのために今後はマスターとして頑張ってほしい。 和歌山を訪れた時には行ってみたいお店ナンバーワンだ。(てか、他の店を知らない) その2。 もういい加減「適正な職務執行」とかうんざり。 今回のは記事を読む限りでは適正だと思う。 こういうのは記者が聞くのか警察が聞かれる前に答えるのか? 何か不適正っぽい、と思ったら調べるのが記者の仕事なわけで、適正だと思ったら「適正でした」と書く必要は無い。 警察はこれまでの経験上、やや不適正な場合でも適正というに決まっているのだから、警察官の発砲に際して適正かそうでないか書かねばならぬのならば、記者が調べて「私は適正な職務上の発砲だと思った」と書くようにしないと、恐るべき思考停止が蔓延してしまうではないか。 その3。 暴力団新法(とはいえ最近成立した新しい法律ではない)という法が胡散臭いとずっと思っていたのだ。 指定暴力団のある行為を制限するくらいなら、暴力団の構成員であることを認めなければいいのに、そこまで踏み込まない、なあんだか中途半端な法律なんですよね。 変な見方をすると暴力団を国として認めているという法律みたいにも思える。 憲法的に言えばこの辺との兼ね合いが難しいところなのかもしれない。 で、ニュースの件なんですが、これってかなり恣意的な逮捕ですよね。 「従業員に深夜の警戒をさせたことに偽計業務妨害容疑を適用した」というのもよくわからない。 「人が来ないかそこに立って見とれい!」という発言があったのか無かったのか。あったとしたら従業員はなぜ従ったのか?断らずに従ったなら「サービス」の範疇ではないのか、とか色々思った。 以前に革マル派の人が旅館業法違反で逮捕された時もそう思ったんだよなあ。 こういう逮捕に「いい仕事をした」とか思う人もいるだろうけど、ある時、自分のところに、厳密には違法であるが概ね慣行として認められているであろう事で警察が来たときにどう思うのだろう。 なんとなく最近、法律の整備される方向が変に思えてならない。 ドライバーの自分からすると、飲酒運転の厳罰化とか運転時における携帯電話の使用の規制あたりにも、釈然としない何かを感じるのだけれど、これは別の機会に書くことにしよう。 分析されたデータよりヒステリックな感情で法が動くというかなんというかそっち方向の話になると思うです。 その4。 この記事、逮捕の理由がわからんすよね。 真犯人はスーパーハッカーかもしれない。 「本人は否定しているが、○○が証拠となり逮捕となった」という重要な情報が欠落している。 各報道機関はもちろん警察も、足利事件で反省したばかりだと思うぞ。(その3に関しては栃木県警だしなあ) その5。 これは時間による報道内容の変化について。 被害者の女性は無職43歳。 で、この時点で主婦43歳でご主人が警察官。 そして、このソースで元婦警さんとわかったのでした。 ひとつのニュースも時間が経つにつれていろいろなことが明らかになっていく。 そういう意味で、その6。 26日付の日記より状況が少し詳しくわかってきた。 いわゆる「イメージトレーニング中」というのは「イメージトレーニングとして割り当てられた時間内におけるイメージトレーニングの実技に入る前」ってことですね。(ややこしいなあ) でも、たしかリボルバー銃にも安全装置として引き金後部に小さなゴムがあるはずで(ソースは横山秀夫の小説「顔」だ、文句あるか)空撃ちにおける通常の挙動としては「弾抜き→安全装置解除」じゃないかなあ? 「弾を抜くのを忘れたが安全装置は解除していた」というのは、ちょっと苦しいと思うぞ。 でも、婦警さんなので、ぐっと堪えて罵倒しない。 おまけニュース ただし、射撃大会は残念ながらこういう結果に。 7月2日、この参加予定だった約420人の警察官が通常勤務に就くとしたら、神奈川はその日一日ちょっぴり治安がよくなることでしょう。 この日ばかりは、神奈川で警察官の発砲が必要となるような事件が起こらない平和な一日になるようにと祈りますよ。 その7。 最後くらいは、いいニュースで。
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