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交通安全週間がやってきた。
婦人警官たちが交差点の信号の下に立つ季節。
いつもは、二人以上で行動する制服姿の彼女達も、この時ばかりは各々の決められた場所に一人で立ち、
信号機の色が変わるたびに甲高い笛の音を立てる。
俺が標的に選んだのは、とある小学校の通学路。横断歩道に立っている婦人警官だった。
最近よく見かけるようになったスラックスの制服を着ている。
年齢は30歳程、165cm位の身長でショートカットの髪。
眉がやや太めだが、二重まぶたと瞳の黒目が大きいため、それが全く気にならない。
その眉は、輪郭を崩さない程度に張った顎とともに、かえって表情に凛々しさを与えているといってもいいだろう。
通学路というだけで、そんなに交通量の多くない横断歩道に彼女は立っていた。
午前中で授業を終えた低学年の子供の姿が少なくなった頃、俺はゆっくりと彼女の傍に他県ナンバーのレンタカーを寄せて道を尋ねた。
「すみません、新港の三丁目はどちらになりますか?」
彼女は助手席側のウインドウから俺の顔を覗き込むようにして答えた。
「新港はもっと先になります。ここからだと説明が難しいんですが…、いったん国道に出ていただかないと…、
地元の方ではないんですよね、国道、わかりますか?」
しっかりと、ナンバープレートを見たようだ。
俺は、困った顔をしてカーナビを操作し地図の縮尺を変えはじめた。
婦警はそれを見て、
「あ、今の画面がわかりやすいです。その海岸沿いの赤い線が国道で…」
俺は身を乗り出し「あぁ、新港町ってありますね。で、三丁目っていうのは…」と言いながら助手席側のドアを半分開けた。
婦警は屈み込むようにして車のドアから上半身を入れ、左手をシートにおいて右手でカーナビの画面を指差しながら、
「三丁目はこの辺になるんですが、もっと大きな地図になりますか。」と、俺に尋ねる。
俺はカーナビに身体を寄せ、隙を見て、シートにおかれた婦警の左腕を払った。
「アッ!」
驚きの声をあげ体勢を崩した彼女の首筋に、隠し持っていたスタンガンを押し当てる。
彼女はガクリと、魂が抜けたように、助手席のシートに倒れこんだ。
ぐったりとした彼女の腰に腕を回して、全身を車の中に引き込んで、車を発進させる。
5、6分経ったように感じたが、インパネの時計は、道を尋ねた時刻から1分後の数字を示していた。
そのラブホテルは駐車場から直接、各部屋へ通じるドアがある。
ドアの前に車が止まっていればその部屋は使用中ということだ。
コンクリートの壁で仕切られたスペースに車を入れて後部座席から大き目のバッグを取り出し、
壁のボタンを押してカギを受け取り、部屋のドアを開ける。
「いらっしゃいませ。そのまま奥にお進み下さい。」と機械音声の挨拶が響く。
ドアをバッグで開いたままに固定し、助手席から婦警を肩で支えるようにして車から出す。
婦警を支えた反対の手にバッグを持ち、ドアから部屋に続く長い廊下を歩く。
気絶した女の体重は、かなり重く感じる。
部屋に入ると、気を失ったままの婦警をカーペットに置き、一人掛けのソファを部屋の真中に持ってきた。
そして婦警をソファの後ろ側から上半身をクッションの方へ向けて倒れこませた。
ちょうど背もたれのトップで彼女の腹部が支えられているような状態だ。
バッグから取り出したロープで、両足首をソファの後ろ側の脚にそれぞれ固定し、さらに両手を前の脚に結びつける。
結構な力仕事だったが、拘束された婦警のポーズを見ると疲れも飛んでしまう。
彼女は体操でいう前屈の姿勢で、ソファの背もたれにその大き目の尻を高く突き上げた格好のまま眠り続けている。
婦人警官の彼女に敬意を表して、床に落ちた制帽をそのショートカットの頭にきちんと被せた。
彼女が目を覚ますのを待ちながら、冷蔵庫から缶ビールを取り出し、ひとりで祝杯をあげた。
ビールを飲み終えないうちに彼女の小さな声が聞こえた。
「うぅーん…」
まだ、彼女は自分の状況がわかっていない。
「お目覚めですか婦警さん。」
彼女は俺の声に驚いた様子でこちらを向こうとしたが、ソファに縛り付けられた体は動かせない。
不自然な体勢で自由を奪われていることに、やっと気がついた哀れな女は、婦警らしからぬ戸惑いの声を漏らした。
「えっ、あ…えっ、何?」
彼女は首だけ動かして、あたりを見回した。
せっかく被せてやった制帽が床に落ちた。
「ちょっと、一体…、あなたは…、こ、これは一体どういうことですか!」
彼女は鋭い目つきで俺を見据えたが、彼女の不恰好な姿に厳しい顔つきが加わることで、かえって、俺の欲情に油を注ぐ結果となった。
そして、彼女の声に表れる動揺が欲情をさらに煽る。
俺は右足の靴と靴下を脱ぎ、彼女の頬に、足の裏を押し当てた。
足の裏の皮膚を通して、彼女の頬の柔らかな感触と体温が伝わってくる。
「どうもこうも、無いですよ、婦警さん。これから二人で楽しい時間を過ごしましょう。―こうやってね。」
そう言った俺は、右足に力を入れた。
「ンんー、グッ、や、やめなさい!あなた、自分が何をしているか解っているの!」
気の強そうな顔を苦悶にゆがめながらも、彼女は俺を威嚇した。
「解ってるよ、充分ね。婦人警官をさらって、ラブホテルに監禁。
ソファに縛って動けないようにして…で、これから俺のオモチャになってもらう…
婦警さんの方が自分の立場を解っていないんじゃないかなぁ。」
俺は、そう言いながら、右足の親指をじわじわと婦警の唇に近付けていった。
顔をそらすが、体を固定されているため、俺の足から完全に逃げることはできない彼女は、口を固く閉ざした。
「あれっ!さっきまでの勢いはどうしたのかなぁ…。なんなら、逮捕でもしてみるかい、婦警さん!
ホラ、できるモンならやってみなよ。あんたみたいな美人に捕まるのなら後悔しないからさ、ホラ…」
俺は、更に力を入れて、汚れた足の裏を婦警の唇に擦りつけながら言ってみたが、彼女は挑発に乗らず、固く口元を引き締めている。
俺は、婦警の顔から足を離して、彼女の背後に回りこみ、その大きく突き出された尻を軽く叩きながら、
「顔がダメならこっちの方で楽しませてもらうよ!」
―そう言って、大きく開かれた彼女の股間を、スラックスの上から、思い切り力を入れて撫であげた。
「ア!や、やめなさい!」
彼女の声には返事をせず、俺は、黙々とバッグからビデオカメラと三脚を取り出し、彼女の臀部近くにセットした。
更にそれを彼女の正面にある、部屋の大型テレビにコードで接続する。
カメラには広角のアタッチメントレンズが取り付けてあるので、
モニターには、実際よりも彼女の臀部が強調された猥褻な構図の映像が映し出された。
彼女の横に移り、婦警の顔を覗き込めるように腰をおろした俺は、その顎を掴んで顔をこちらに向かせ、彼女の目を見て言った。
「後ろがどうなっているのかわからないと不安だろうから、こうやってビデオで写しておいてやるよ。
ちゃぁんとテープも入れてあるからね。」
そして、両手で彼女の体を抱きこむようにして、制服の上から、その上半身を、触っていった。
「何をするのッ!」
彼女は屹然と叫んだ。
俺は目的の物を彼女の左ポケットに発見した。
警察手帳だ。
ポケットについた金色のボタンを外し、警察手帳を抜き取ってやった。
「アッ、それはっ、返しなさい!」
「返せと言われて素直に返す人間じゃないって事くらい解るだろう…」
そんな憎まれ口を叩いて、俺はビデオカメラの前に行き、
まず、県警の名称が載っている警察手帳の表側を録画するためにレンズに向けた。
そして、身分証明のページをめくって、カメラに写しながら、声に出して読み上げた。
「−県警、港町署、交通課、松永由紀子巡査長。
へぇ、巡査長って偉いの?長って付くからには、ちょっとは偉いんだよね。
そんな偉い巡査長さんがこれからレンズの前で可哀想な目に会います。
この美人の婦人警官は、一体どんな下着を身に付け、更にその下着の内側は一体どんな風になっているのでしょうか?」
俺はわざとおどけた調子でテレビのレポーターを真似てみた。
俺の声を聞いた松永婦警は大声で俺に叫び始めた。
「やめなさい!そんなことをして、どうなるの!今ならまだ罪は軽いから!馬鹿な事、考えないで、縄を解きなさい!」
「今ならまだ罪は軽いかぁ…。でも、どうせ捕まるのなら、楽しんだ方がいいね。
逃がしてくれたら許してあげます位、言ってくれてもよかったのに…そうしたら考えたんだけどなぁ…」
そう言って、俺は松永婦警の大きな尻を撫で回した。
「あ、触らないで!わ、解ったわ。あなたの事は許す…許すから…誰にも言わない!だから、私を離しなさい!」
俺は、彼女の尻から手を離し、ベッドに腰掛けてタバコに火を点けた。
松永婦警は、口調を柔らかにして、更に話し続ける。
「そうよ。落ち着いて考えて。どうしたらお互いの得になるのかよく考えなさい。」
俺は、タバコを灰皿に押し付けて、縛られたままの婦警に言った。
「巡査長さんだけあって、本当に偉そうな口のきき方だな。ずっと俺に命令してばかりじゃないか。
自分の立場もわきまえず生意気だね、婦人警官ってヤツは。」
そして、バッグを探ってカッターナイフを取り出した。
「テレビに映った、自分の格好をよく見てから物を言った方がいいよ。
許して下さいってお願いするのは俺じゃなくって婦警さんの方じゃないのかな。」
カチカチカチカチ…
高い音を響かせてカッターの刃を出しながら、俺はソファに拘束された松永婦警の後ろに回り込んだ。
「俺は、婦警さんの、その態度が改まるまで、許さないからね。
学校で習わなかったかな?人に物を頼む時は心を込めて丁寧にって…。
警察学校はそんなことは教えないか…。な、松永由紀子巡査長さん。
さぁ、目の前のテレビをよく見るんだな。」
そう言って、俺はカッターをゆっくりと彼女が履くスラックスの臀部中央の縫い目に当てた。
「危ない!やめなさい!何をするつもりなの!」
スラックスを大きく切り裂かないよう、慎重に刃の先端を縫い目の一箇所に当て一本だけ糸を切った。
ぷつり。
「動くと危ないよ。静かにした方がいいよ。」もう一箇所の糸を切る。ぷつり。
彼女の動きが静かになった。俺も、静かに彼女に話す。
「やめなさいじゃなくて、やめて下さい。」ぷつり「離しなさいじゃなくて、離してください。」ぷつり
「それに…」ぷつり「あなたを許す、じゃなくて、私を許して下さい、じゃないのかなぁ。
話し方一つで随分と他人に与える印象は違うんだがなぁ。」
合計5箇所の縫い目の糸を切ったが、ブラウン管では、まだ、そのほころびさえ全く気にならない。
彼女はテレビモニターから目をそらし、うつむいて言った。
「解ったわ。私を、もう、許して…」
俺は、部屋の隅にあった椅子を持ってきて彼女の背後にセットしたカメラの横に置いた。
そして、バッグから取り出した折り畳みの傘を伸ばしながら彼女に話し始めた。
「いや、あんたは全然わかっていない。
巡査長のくせに、物分りが悪すぎるな。『解りました、お願いですから私を許して下さい。』って言うべきだろう…。
さっき教えたばかりの事もすぐに忘れるんだな。
そんな婦人警官を簡単には許すわけにはいかないね。」
「え」
彼女は小さな声でそう言って再び、がっくりと頭を落とした。
「しっかり、画面を見ろ!」
俺は、叱るように彼女に言って、その髪を強く引っ張って顔を上げさせ、床に落ちた制帽を彼女の頭に被せた。
「この制帽を落とさないようにテレビをしっかり見てること!
婦人警官は身だしなみも大切だろ。言葉遣いだけじゃなく、身だしなみも教えなきゃいけないとはね。
少しお仕置きをしなくちゃいけないな…。」
俺は、先程、置いた椅子に座って、そこから伸ばした折り畳み傘の先端をゆっくりと彼女の尻に近づけていった。
-つづく-
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