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第三部


 12. 電話

  広田京子へ携帯電話を渡してから数日後の日曜日。
  僕は自分の携帯電話から、彼女に連絡をとってみた。

  「…ハイ、広田です」

  ついこの間、水曜日に会ったばかりなのに随分と懐かしい声に聞こえる。

  「こんにちは、田中です。今日はお休みですか?」
  「…ハイ」
  「そうですか。で、明日は?」
  「…仕事…ですが…」
  「平日のお休みはありますか?」
  「…今週は、ずっと…出勤です。」
  「金曜まで?」
  「…いえ、…土曜日…もです。」
  「あ、土曜も。大変ですね。」
  「………」
  「この間は、失礼しました。」
  「……」
  「自宅の方にあなたを送ってしまいました。」
  「え」
  「駅の方に、送るべきでしたね。駅裏の駐車場。」
  「…そんな事まで、知って…」
  「翌日の出勤に困りませんでしたか?」
  「あ、…バスで…」
  「あの時、言ってくださればよかったのに…」

  少し笑って言ってみたが、彼女の返事は弱々しかった。

  「…あ、気にしていません。」
  「…元気が無いですね。」
  「……」
  「広田さん!」
  「…そういう気持ちには、なれません。」
  「笑ってくれませんか。」
  「え」
  「広田さんが、笑った声を聞きたいです。」
  「…それが…田中さんの…命令、なのですか…」

  広田京子にそう言われて、僕は困った。

  「あ、いや、そういう訳ではないです。」
  「…今は、笑えません…」
  「あ、また電話します。―といいますか、勤務中に連絡するかもしれないので、
   一緒にお渡ししたイヤホンを着けておいて下さい。」
  「あの…勤務中は…」
  「あ、これは命令です。勤務中も身に付けておくこと。マナーモードのやり方は解りますよね。」
  「……でも、勤務中は話せないときが…」
  「いいんですよ。広田さんは電話を聞くだけで。
   会話の必要は無いでしょう。広田さんが命令を断ることはできないのですからね。」

  そして僕は、彼女の返事を待たずに電話を切った。


 13. 路上

  土曜日。
  彼女が勤務、僕は休日。
  こういう日が沢山あればな…、そう思いながら、僕は車を市街地へと走らせた。
  彼女に駐車違反で捕まった場所、中央通りには今日も数台の停車車輌が並んでいる。
  その車の列の最後尾に自分の車を停めた。

  しばらくすると、車の列の向こう側から、こちらに向かってくる二人の婦人警官の姿が見えた。
  離れたところから見ても、一人が広田京子だという事が僕にはすぐ解った。
  黒いパンプス。緩やかな曲線のフォルムを持ったふくらはぎ。
  膝を隠した、濃紺のスカート。
  上着の金色に輝くボタン。
  純白のシャツに締められたネクタイ。
  正面にエンブレムの着いた制帽。
  婦人警官の制服に身を包んだ広田京子は、少し地味な容貌にもかかわらず、
  いや、きっとそれ故に、僕にとって、魅力的に見えた。

  僕は用意した鞄を持って車を降り、彼女を観察しつづける。
  もう一人の婦警は後輩だろう、二十代前半のようだ。
  華奢で、瞳が大きく、いわゆる可愛らしいタイプだが、広田京子と並んでいると、なぜか色褪せて見えた。

  後輩の婦警がタイヤをチョークでマークし、広田京子がワイパーに何か用紙を挟んでいく。
  駐車禁止の警告書のようだ。きっと、しばらく時間を置いてから、再び戻ってきて、
  移動していない車に、例のオレンジ色の札をつけるのだ。
  彼女達がだんだんとこちらに近付いてくる。
  携帯電話を取り出して、彼女の番号をコールした。

  テキパキと仕事を進めていた広田京子の表情が、瞬時に固くなった。
  そして、後輩の婦人警官に何か一言いって、その場に立ち止まり、内ポケットに右手を入れた。
  彼女の電話に繋がった。

  「広田さん、田中です。お仕事、ご苦労様です。」

  後輩の婦警は徐々に僕の車に近付いてくる。
  広田京子は、さっきの場所に立ち尽くしたままだ。

  「ホラ、ぼんやりと立ってないで、同僚の婦警さんに追いつかないと…」

  その一言を聞いて、彼女は素早くあたりを見回した。
  土曜日の繁華街の雑踏。その人ごみの中のどこかに僕がいる。
  そう気付いた彼女の表情は、見られているという不安に怯えていた。

  「あと3台。あと3台で、後輩の婦警さんが僕の車の所に来ます。」

  広田京子は、さっと後輩を見て、そして、その先の車を目で追った。
  車の周囲に瞳を走らせていた彼女と僕の目が合った。
  僕は、ゆっくりと目礼をした。

  「さぁ、僕の話を聞きながら、お仕事を続けてください。」

  彼女は、仕事に戻ったが、その動きは先程までとは打って変わってぎこちない。
  僕は車の脇に立って話を続ける。

  「僕の車まで来たら、手に持っている用紙を落すなりして、しゃがんでください。」

  あと、車2台で、彼女は僕の車に到着する。

  「僕の右の足元に、道路側に向けて、ビデオカメラを置いています。
   しゃがんだら、カメラに向かって、脚を開いてください。」

  それを聞いた広田京子は、僕の車の前に停めてある車輌のウインドウに用紙を挟みながら、硬直した。
  顔を僕の方に向けている。

  「最低10秒。―命令です。」

  彼女は僕から目をそらして同僚の婦警を眼で追った。
  若い婦警は、既に僕の車にマークを終えて、交差点を渡り、次の車の列に取り掛かっている。
  それを見た広田京子は、ゆっくりと僕の車に向かって歩いてきた。

  僕の足元にある鞄の中ではビデオカメラがレンズだけを出して、彼女がいる道路側の風景を録画している。
  広田京子は、僕の車のワイパーに、駐車禁止の警告書を挟んだ。
  そして、顔を上げて、僕を見た。
  僕は、微笑を作って、ゆっくりと頷いた。

  彼女は手に持った警告書の束を、足元に落した。
  そして、その場にしゃがみこんだ。車に隠れて彼女の姿が見えなくなってから、繋がったままの携帯電話で話した。

  「じゃぁ、今から、10数えますよ。ハイ、一…、二…、三…、四…」

  時計を見ながら、正確に数えていると、彼女は「六」を数えている時に、立ち上がった。
  そのまま、僕の顔を見ずに立ち去ろうとしたので、僕は彼女に、直接、声をかけた。

  「婦警さん!」

  広田京子は立ち止まったが、こちらを振り返れずにいる。
  僕は、言葉を続ける。

  「…車、すぐ動かしますから。申し訳ありません。」

  彼女は、チラとこちらを見て、怒りを込めたような口調で言った。

  「お願いします!」

  そして、僕に背を向け、早足で交差点を渡っていった。
  僕は、携帯電話にむかって言った。

  「最低10秒って言ったのに、たった6秒でしたね…また、電話します。
   広田さんに、何か罰を考えなきゃいけなくなりましたよ。」

  遠くで仕事を続ける彼女を見ながら、電話を切った。


 14. 映像

  運転席に戻った僕は、車を発進させた。
  繁華街を離れ、国道沿いのファミリーレストランの駐車場に車を停めて、鞄の中のビデオカメラを取り出し、
  巻戻しのスイッチを入れてから広田京子に、電話をかけた。
  呼出音が7、8回、鳴ってから、彼女の電話に繋った。

  「もしもし。広田さん、聞こえますか?」

  返事はなく、どこかのノイズが聞こえる。

  「聞こえていたら、僕にわかるように何か合図を送ってもらいたいのですが…」

  しばらくすると、耳元の電話からガサガサという衣擦れの音が聞こえた。

  「うん、広田さんのそういう素直な所が好きです…。
   今から、さっき撮影したビデオを見ますね。どんな風に写っているかを教えてあげます。
   多分、広田さんも気になっていると思いましてね。」

  電話の向こうで、広田京子は何をしているのだろうか?
  土曜日の賑やかな繁華街を、後輩の若い婦人警官と歩いているのだろうか。
  それとも、署内の業務に戻っているのだろうか?
  どちらにしろ、婦警として勤務中であることに変わりはない。

  再生スイッチを押すと小型の液晶モニタに先程の映像が映し出された。
  彼女のスカートの中を鮮明に撮影できるように絞りを明るめに設定しておいたので、
  車のタイヤ以外の部分は、かなり白っぽく写っている。

  「広田さん、再生を始めましたよ。」

  数十秒ほどすると、フレームの中に女性の足が入ってきた。
  広田京子の足首は程よく引き締まっていて、ふくらはぎがエロティックなラインを描いている。

  「今、僕の車の横に来たところです…」

  地面に警告書が数枚、落ちてくる。
  そして、彼女がしゃがみこんだ。

  「しゃがみましたよ…」

  最初、彼女は、レンズから若干、横を向き、右膝を地面に着けるようにして屈んでいた。
  まるで震えるように、右膝が地面からゆっくりと離れ始める。

  「いい子ですね。きちんと言う事を聞いてくれたんですね。」

  左足は、そのままで、右足の膝頭が静かに、レンズの正面に向かってきた。
  そして、その奥、彼女の左右の膝頭の間、太腿の向こうに、白い下着が見え始めた。

  「あぁ、今日は白だったのですね。清潔そうで好きですよ。」

  彼女の、膝の動きが止まった。

  「柔らかそうな太腿の奥に、白い下着が見えます。」

  パンティストッキングのラインが一本、きれいに股間の中央を通っていた。

  「ストッキングのラインが、何だか猥褻な感じがしますね。」

  と、突然、モニタの中の彼女は立ち上がった。

  「あぁ、もう立ち上がってしまった…」

  残念そうな声で、電話の向こうの広田京子に話しながら、テープを巻き戻して、また再生を始めた。

  「もう一度、見てみます。」

  再び、モニタの中の彼女が脚を開く。
  彼女の股間が正面に見えたところで一時停止のボタンを押した。

  「こうして見ると広田さんって、肉感的で艶めかしいですね。
   あなたみたいな方が、こんな猥褻な部分を持っているなんて…」

  すると、電話の向こうでガサガサという音がして、広田京子の声が聞こえてきた。

  「もう、やめて下さい!」

  突然の彼女の声に、僕は驚いた。

  「どうしたんですか、広田さん。そこはどこなんです?」
  「警察署の中です。周りには誰もいません。そんな事より、もう、許して下さい!」

  少し考えてから、僕は答えた。

  「いや、ダメです。言いましたよね、耐えて下さいって…。辛いでしょうが我慢してください。」

  彼女は、黙っている。

  「それに、さっきは、最低10秒間、脚を開いているという約束が守れませんでしたよね。何か罰が必要なようです。」

  彼女は、何も答えない。

  「今日の帰り、電話を下さい。あなたへの罰を考えておきます。夜、会いましょう。」

  返事はなかった。

  「広田さん、返事!」
  「…あの…帰りって…」
  「電話、出来るか、出来ないか。それだけ答えてください。」

  広田京子のかぼそい声が返ってきた。

  「わ、わかり…ました。」


 15. 店内

  夜6時。
  広田京子を車に乗せた僕は、彼女の住む町と反対の方向に向かっていた。
  助手席の彼女は不安そうに僕に尋ねる。

  「どこへ行くんですか?」
  「広田さんの家の方角だと困るでしょう。あなたと僕が二人でいるのを見られたりしたら。」
  「…一体、田中さんは、何をするつもりなんですか?」

  前方を走る車のテールランプを見ながら、僕は答えた。

  「広田さんにプレゼントを贈ろうと思いまして…昼間のお礼に…」
  「え」

  広田京子は怪訝そうな顔をした。

  「いらないって言っても、受け取ってもらいます。
   これも、命令ってトコですかね…」

  行く手に、数ヶ月前にオープンした、全国チェーンの郊外型ショッピングセンターが見えてきた。
  車はスピードを落とし、立体駐車場のスロープを上っていった。

  店内は、広く、明るく、清潔な雰囲気に満ちている。
  会社帰りのOLたちに混じって、制服を着た高校生の姿も目に付く。

  「婦人服の売り場は向こうですね。」

  広田京子と並んで、店内を歩く。
  高校生のカップルとすれ違った時、ふと、僕ら二人は、周囲からどのように見えるのだろうかと想像した。
  他人の目には、恋人や夫婦のように写っているのだろうか?
  少なくとも、本当の二人の関係、「脅迫者と哀れな獲物」として見る者は一人もいないだろう。

  何だかウキウキしてきた。

  「こういう時は広田さんと何の話をすればいいのでしょうね?」

  唐突な僕の質問に彼女は少し驚いたようで、答えに窮している。

  「何も話したくないですかね?」と、さらに質問してみる。

  彼女は小さく頷いて言った。

  「ええ、何も…。私には、田中さんと話す言葉が思い浮かびません。」

  僕は、そっと、彼女の手の甲に触れてみた。
  彼女は、僕の手を避けるように、手を引っ込めた。

  「手を、繋ぎましょう…。」

  彼女の顔を見た。彼女は、さっと目をそらす。
  僕は自分の手を、敢えて彼女の手に近付けないようにして、さらに言った。

  「手を…」

  広田京子の手が、僕の手をゆっくりと握ってきた。
  彼女の手は、思っていたよりも、ほのかに温かかった。

  僕は彼女の手を引くように目的の売り場へ向かった。
  売り場の前で、彼女の手が僕の手を引っ張った。
  それは好意の意思表示ではなく単に彼女が立ち止まったためだ。
  婦人用の下着売り場を前にして、僕は彼女を振り返って、言った。

  「広田さん、ここでは、僕のほうが恥かしいですよ…。だから、一緒にいて下さい。
   それに、あなたへのプレゼントなんだから、好みなんかも教えて下さい。」

  僕らは、下着売り場の奥へと向かった。


 16. 羞恥

  下着売り場の店員は、僕たちを見ても、特に大したリアクションを取るわけでもなく、
  事務的だが明るい声で「いらっしゃいませ。」と声を掛けただけで、レジの中で伝票の整理に戻った。
  店員が、男性を連れて下着売り場にきた広田京子を白眼視してくれれば、彼女の恥辱に震える表情が見られると思ったのだが、
  店員の反応から推察すると、最近は、男女で下着売り場に来る事は、そう珍しくない事なのだろう。
  腰の部分だけのマネキンが、色鮮やかで薄い生地のランジェリーをまとって、ディスプレイされている。

  「広田さんは、こんな下着を、身に着ける事もあるんですか?」

  と聞いてみると、彼女は真っ赤になった顔を下に向け、小さな声で、「こんな物持っていません」と恥かしそうに答えた。
  蒼ざめ、怯える彼女の表情は、見た事はあったが、頬を紅潮させた彼女を見るのは初めてだった。
  店員が、こちらを見ていないのを確認し、内緒話をするように彼女の耳に顔を近付け、
  そっと、耳を隠した短めの髪をかきあげてみた。   彼女は、耳まで真っ赤に染めていた。
  指先で、軽く彼女の耳に触れると、彼女は反射的に顔をそらせた。
  彼女の耳に触れた手を、彼女の腰にまわして、僕は、仲の良いカップルを演じるように、再び彼女の耳に顔を近付けて、

  「確かに、あんな下品で派手な下着は、婦警さんには似合わないですね。」と囁いた。

  「もっと、普通の物の方がいいですよね。」と、彼女につぶやいて、陳列された商品を物色し始めた。

  太い柱に設えられた棚にある、やはり、腰だけのマネキンが着けている、ショーツが僕の目を引いた。

  「あれなんてどうです。」

  と、僕は、広田京子に、その商品を眼で示した。
  広田京子は、その飾られた下着に目をやった。
  そのショーツは、色は白だったが、艶やかな生地が主に使われており、
  フロント部分には、マーガレットの花をデザインした、レースの模様が施されていた。
  そのレースの部分にはシルクを思わせる生地が使われているようで、下着ながらに、上品さと清楚さを感じさせた。

  彼女は、ポツリと僕に言った。

  「必ず…何か買わなくては、いけないんですよね…」

  そして、うつむいて、小さな声で、こう付け加えた。

  「あれ位なら…いいです…買っても…」

  嬉しかった…僕が選んだものを彼女が受け入れてくれた事に喜びを感じていた。

  店員に、陳列された商品が欲しい旨を告げると、店員はレジの下から、
  ショーツが収められた、薄いが高級そうなデザインの箱を取り出し、広田京子に見せて、
  「こちらの商品でよろしいですか?」と尋ねた。
  彼女は、店員の問いかけに恥かしげな表情を見せた。
  店員は、返答に困っている広田京子に「あちらに飾ってある商品と同じ物ですが…」と続けた。
  広田京子は、慌てて、「あ、それでいいです。」と答えた。

  この状況では、店員の、何気ない一言でさえ広田京子の羞恥心を煽るようだ。

  店員は、広田京子から僕に目を移して、「プレゼントでしたらお包みしますが…」と聞いた。
  僕は少し考えて、「いや、彼女に任せます。」と広田京子を示して答えた。
  店員は、広田京子に答えを求めるように、その顔を覗き込んだ。
  広田京子は、うつむいたまま、「簡単な包装でいいです…」とだけ言った。

  店員とのやり取りで、広田京子がこんなにも羞恥に震える表情を見せるとは思わなかった。
  うつむいた彼女の横顔を見ると、頬の赤味が、一段と増している。
  きっと、質問を投げかけてくる相手が一般の市民であるという状況が、彼女を追い込んでいるのだろう。
  店員の前で恥かしさのあまり、泣き出してしまうのではないかとちょっと心配になった。

  清算を済ませて、駐車場の車に戻った僕は、助手席の、まだ顔を紅潮させたままの広田京子の身体を引き寄せ、口づけをした。
  彼女の身体を強く抱きしめながら、彼女の髪をかきあげて、まだ赤い耳たぶに口をつけ激しく吸った。
  それほど、店内で目にした、恥じらいに染まった彼女の耳は魅力的だった。
  彼女は、じっと、耐えていた。奥歯を強く噛みしめて耐えていた。

  彼女の耳への荒々しい口づけを終えると、僕は、彼女に囁いた。

  「僕からの、プレゼント…大切に使ってください。毎日、これから、身に付けてもらいます。」

  一瞬の間があって、僕の腕の中で、彼女の体が、瞬間、固くなるのがわかった。
  しかし、僕は、囁きつづけた。

  「他の下着を身につけるのは、許しません…僕のプレゼントをずっと、ずっと、僕がいいと言うまで、履きつづけてください…
   これが、今日の罰です……時々、昼間のように、下着を確かめに行くかもしれませんから
   …ごまかさないで、履きつづけなくてはダメですよ……もし、広田さんが言いつけを守らない時は、
   もっと、もっと、恥かしい思いをしなくてはならなくなりますからね…」


  -つづく-


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